みかんとつめきり

気の向くまま雑記

“きょうだい”と学歴の話 その①

おはようございます。

めんどくせぇなぁとボヤきつつ我を消してPCに向かっています。

行動が私を裏切らないと信じて!

うぉォン。

 

 

さて記念すべき1回目はちょっぴり学究的なお話。

 

教育学部の一年生向け講義でのグループワークが思いの外盛り上がったので、

その内容をかいつまんでネタとして提供したいと思います。

 

 

因みに私、大学に入学してから三年間不登校でした。

一応現在は四年生ということになってますが中身は一年生未満です。

学部の謎進級システムにコロコロされかけています。

 

まぁその辺りの事情は追々。今年からリハビリで再び通い始めたといったところですね。

 

 

 

きょうだい内での学歴達成

 

グループワークは「読書会」という形式で行われました。

 

担当講師に提示された十数本の文献リストの中から読みたいものを選び、

同じ文献を選択した4,5人程度でグループを作り、

個人で文献を読んで関心を持った箇所などをチェックした上で、

1週間後にグループ内でそれぞれ感想などを発表して内容の議論を交わす。

 

……といった、何とも学徒らしい取り組みです。

カタいものだけでなく、ちょっとした小説や映像作品なんかも取り決めて

友人や親しい知り合い同士で不定期にでもやってみたいですよね。ね。

 

 

私は見出しの通り、

「きょうだい内での学歴達成」(保田時男)

(出典:『現代日本人の家族――NFRJからみたその姿』藤見純子・西野理子編、有斐閣、2009年、第2章2節)

……という文章を選択しました。

 “きょうだい”は京大じゃなくて兄弟とか姉妹とかのことですね。

 

どういった内容か。

 

これは

“きょうだい”の構成が学歴の達成(最後に通った学校の種類)に影響を及ぼしているのではないか

ということを統計データをもとに分析しているもの。

 

 

ぶっちゃけ経済的な問題だったり両親(保護者)の一方的な方針の視点からの記述に終始しているので、

教育心理的なものを期待していた諸氏は先入観とのギャップに面喰ったようです。

(それでも面白いものとして興味深く納得しながら読めたようです。)

 

 

とは言え統計データというものは研究に現状欠かせませんから、入門的な意味でも身近でとっつきやすいテーマの分析でしょう。

実際この文献を選んだのは私も含め二十人以上。全体で最多でした。

 

 

 

“兄をもつ妹”と“姉をもつ妹”

 

この文献で取り上げられている統計データは、

NFRJ(全国家族調査)というものに基づきます。

全国家族調査 (NFRJ) とは | 全国家族調査 (NFRJ)

詳細はリンクで。

 

これを元に、出生コーホートで区切り様々な尺度で分析しています。

コーホートというのは統計上の用語で、ここでは出生年別に人集団のグループ分けをしたものを示しています。

コーホート(コーホート)とは - コトバンク

 

 

また一つ二つ知識を得ました。これだけで勉強したと言っても過言ではありません。

 

 

この文献内で分析対象となっている出生コーホートは4つあります。【NFRJ03】

Ⅳの人だと現在(2015年)で30~40歳代というところでしょうか。

 

コーホート毎のサンプル数はそれぞれ2000人未満ですが統計学的にどうなんでしょう。

統計学勉強しなきゃ…… 

 

 

戦後からのきょうだい数の推移に注目すると、

Ⅱにあたる56年生まれ以降では約半数が2人きょうだい、

約三分の一が3人きょうだい、ということで安定している事実が予測されます。

(Ⅰは一人っ子が5.5%であとはきょうだい持ち)

 

 

きょうだい数が進学率とどう関係しているのかは、Ⅲ、Ⅳ以降でははっきりしなくなっているようです。

Ⅰ、Ⅱではきょうだい数が多くなるにつれ明らかに進学率が右肩下がりになっていることがグラフで見て取れるので、余計に関係性が見つけられません。

(ただしⅠの一人っ子は進学率が2人きょうだいより低く、これには家業を継ぐため学が要らなかったから、など色々な説があるらしい。)

 

 

そこで、きょうだい構成の別の面に着目したわけです。

一般に、きょうだい数のほかに3つの側面があるようです(Steelman et al. 2002)。

  • 出生順序
  • 出生間隔
  • 性別構成

 

……とまぁ、こういった風に客観的に枠組みや尺度を作ってデータを見ていくわけですね。

 

 

詳しく内容を書くと今回の要点を逃がしてしまうので割愛します。

 

 

さて、私たちのグループで気になった部分をピックアップし、論点になったのは

性別構成の影響の項です。

 

 

前提事実として、

男性と女性では大学・短大・専門学校進学率が大きく異なる

というデータが示されています。(女性の進学率は男性よりも低い

 

本人の性別によって進学率が変わってしまう、という事実です。

 

 ただ、この筆者によれば

「きょうだいの性別構成の影響の仕方は、きょうだい数や出生順位とも複雑に絡み合うので、なかなか単純に読み取ることはできない」

らしい。

 

そこで比較的わかりやすい例を示していました。

 

それは、

第二子である女性の進学率を、第一子が男性の場合と女性の場合でグループ分けして集計した結果」のグラフの図。

 

グラフには傾きがありました。

 

つまり、

「同じ“妹”でも“兄をもつ妹”と“姉をもつ妹”では進学率が異なる」

ことを示すものです。

 

この図を全体的に見ると、

兄をもつほうが、姉をもつよりも進学率が高い傾向

が読み取れます。

短大・専門学校進学率をみると、コーホートⅡとⅢではおよそ40%と35%で

5%程度の差があるようです。

コーホートⅡとⅣで大学の進学率を見ても兄をもつほうが5%程度の差をつけて上回っています。

 

もちろん姉をもつほうが進学率が高い時もあるのですが、

差は1%あるかないかなので、どうやら先に示した傾向は間違っていないようです。

ですよね?(不安)

 

 

ところで、ここで疑問が生じます。

 

進学するには先立つもの、教育費の負担がのしかかります。

男の子がいる家庭と女の子がいる家庭では、

進学率の差からすれば当然、一人でも男の子のいる家庭の方が負担が大きくなる可能性は大きいはずですよね。

となると経済的な面から他のきょうだいには進学させないといった選択も起こりうるでしょう。

親が投資をするわけです。

 

それでは、

 ≪なぜ男性のほうが女性よりも進学率が高いにも関わらず、“兄をもつ妹”よりも“姉をもつ妹”のほうが進学率が低い傾向にあるのか≫

 

これですね。

※親が持つ限られた資源をどう“きょうだい”に割り振るか・投資するかといった視点の疑問です

 

すんごいうんざりする話ですが、一つの視点に従った至極論理的な不思議だと思います。

 

文章中では何か別のメカニズムが強く働いているだろうと述べられています。

例えば、

  1. 異性の兄と妹のほうが、親にとってそれぞれに投資する価値が見出しやすい
  2. 妹が兄の進学行動を模倣している
  3. 親が単純に平等に扱おうとして兄と同水準の教育投資をしている

などなど。

 

とにかく性別構成の影響は複雑で、さらに90年代以降は女性の進学率も高まっているものだからさらに複雑になっちゃってるしもっと調査データを蓄積しないといけないよね~~

 

という感じでシメられたわけです。なんだこれは。

 

 

「「「「「結局きょうだい構成の影響があるの!?ないの!?」」」」」

 

というわけでちょっと考えてみよう、と有意義な時間を過ごしたわけです。

 

 

 

今日はここまで

 

分かりやすく伝わるように書けたのかわからないのがつらい。(霊帝顔)

 

 

さて。

皆さんは一人っ子でしょうか。きょうだいをお持ちでしょうか。

 

因みに私は三人きょうだいの一番上で、下に二人妹がいます。

真ん中は美大に、末は工業科の高校に入学しました。

 

気が向いたら、自分やきょうだいについてどう学歴を達成したか、これからどういう学歴を積むのか、学歴に影響を与えたものは何か、考えてみるのもいいかもしれません。

 

 

また近いうちに今回の続きを書くと思いますので、

興味があればよろしくどうぞ。

 

 

疲れた。